活動の実際
デイセンターにおける実際の活動について
(1)「日中活動」の意味
デイセンターでは、メンバーが通所により取り組む内容を「日中活動」もしくは「活動」と称している。「日中活動(Day Activity)」は、通所更生施設をはじめ、より障害が重いとされる人たちが利用する通所施設等で、今日広く使われている言葉である。そこには、これまで施設で行われてきた「訓練」や「作業指導」といった、利用者が「受ける」ものではなく、利用者本人が主体的に取り組むものである、という意味が込められている。
「日中活動」における職員の役割は、「処遇」や「指導」ではなく、活動の主体である利用者の「支援」を行うもの、という位置づけとなる。デイセンターを利用するメンバーの多くは言葉によるコミュニケーションが難しく、あるいは自らの意思で移動することができないメンバーも少なくない。だからこそメンバー本人の意思を引き出し、受け止め、その実現に向けた支援を行う職員の役割は大きいと言えよう。
(2)個人支援プログラム
センター支援目標に基づき、メンバー一人ひとりに「個人支援プログラム」を作成している。
12年度11月のスタート時より、プログラムの内容・様式そのものの検討から始め、年度ごとに取り組みの成果と課題を整理しながら、取り組んできた。
年々メンバーが増え、集団が大きくなるなかで、個々の思いや状況・課題に焦点を当て、活動の目指すべき方向性を押さえた支援を展開するために取り組みをすすめてきた個人支援プログラムであるが、その重要性や必要性を論議の過程の中で職員が共通認識できるようになったことや、直接担当外のメンバー・グループの状況についてデイ職員集団として把握・検討し課題を共有することができたこと、年度初めと中間点で見直しや懇談の機会を持ったことで、支援の実際について利用者と意思疎通を図りながら、支援を進めることができたこと、などがその成果としてあげられる。
一方、プログラム内容に具体性が乏しいものがあること、日々の活動の組み立ての中に支援プログラムが充分反映されたものとなってないこと、作成に時間がかかりすぎ利用者と確認がされないまま活動が行われている期間が長くなっていること、「本人」のニーズ把握に弱さを残していること、などの課題も未だ多い。
15年度は支援費制度における指定基準として「個別支援計画の作成」が位置づけられ、個々の支援内容について、利用者との確認のもと進めていくことが制度的にも義務づけられることとなった。
この状況をふまえ、個人支援プログラムを取り組むうえでの課題の中でも、迅速性をいかに確保するかという問題への対応のため、作成プロセスと様式の見直しや職員の作成時間の確保のための工夫も行いながら、15年度の個人支援プログラムの取り組みを始めている。また、プログラムの内容について、より本人のニーズに焦点を当てた具体的なものとしていくためには、メンバー本人の思いを職員としていかに聞き取り受け止めていくかが重要であり、家族の想い・ニーズとの整理をしながら、メンバー本人の自立に向けた支援を家族と共に考えることが必要であると思われる。
なお、15年度における個人支援プログラム作成のプロセスは、表3の通りである。
◎表3 個人支援プログラム作成の流れ
3月| 前年度まとめ
| ↓
4月| 本人ニーズの聴き取り(職員によるヒアリング等)
| ↓
| 個別懇談(本人・家族、職員、センター長)
| ↓
| 上半期支援プログラム作成(職員)
| ↓
| 本人・家族への提示<=>[意見・疑問→再検討・修正]
| ↓
| 確認(本人・家族、職員、センター長)
| ↓
| 支援の実施
| ↓
9月| 上半期まとめ(職員)
| ↓
10月| 個別懇談(本人・家族、職員、センター長)
| ↓
| 下半期支援プログラム作成(職員)
| ↓
| 本人・家族への提示<=>[意見・疑問→再検討・修正]
| ↓
| 確認(本人・家族、職員、センター長)
| ↓
| 支援の実施
| ↓
3月| 下半期まとめ・年度まとめ(職員)
| ↓
(3)日課表
8:40〜 9:50 送迎・通所
9:50〜11:30 健康チェック
朝の会
午前の活動
11:30〜12:00 休憩・昼食準備
12:00〜13:30 昼食・休憩
13:30〜15:00 午後の活動
15:00〜15:45 休憩・帰宅準備
終わりの会
15:45〜 帰宅・送迎
(4)グループ活動
日々の活動については、グループを基礎的な集団として支援を進めている。主な活動内容は、以下の通りである。
健康・身体づくり
散歩(外気浴・日光浴)、入浴など。
- 機能訓練
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- 3B体操
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- 健康チェック
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創作・作業活動
調理・織物・下請け作業など。
- 紙すき作業
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- お菓子づくり
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文化活動
クリスマス会等、季節行事に向けた取り組み、音楽活動など。
- 書き初め
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社会参加活動
- 買い物
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- 外出活動
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(5)クラブ活動
- クラブ活動
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グループは基本的に障害の状況や生活ペースにより編成されているが、活動や生活を同じようなペースで共有しやすい反面、同じメンバー・職員で過ごすことで関係性が固定してしまい広がりがつくりにくい点が課題である。
クラブ活動は、メンバーが「好きなこと」「楽しめること」を主眼に、グループの枠を越えた集団をつくることで、普段と違ったメンバー・職員とも活動が展開できる状況をつくることをねらいとしている。
クラブ活動でどのような内容に取り組むかについては、年度初めにメンバー・職員で話し合いながら、少しずつ新しい要素も加えてきた。今年度は「散歩」「音楽」「おしゃれ」「インターネット」等の内容に取り組んでいる。
(6)センター行事
小グループ外出
初夏から秋にかけて、2〜4名程度の小集団での外出活動を行っている。メンバーの行きたい場所、楽しめる場所を話し合いながら、目的地によって小グループを組んでいく。行き方や、1日のスケジュールなどは小グループごとに決めている。これまでの行き先としては、USJや映画村などのテーマパークや遊園地、神戸や大阪等の町、百貨店で買い物、温泉、ホテルでの食事等々、さまざまである。
- 小グループ外出
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旅行
9〜11月にかけて3つの班に分かれて、一泊旅行を実施している。行き先はメンバー、職員で「旅行委員会」を開き、アンケートや話し合いによって決めている。これまでの行き先は、神戸、琵琶湖、淡路島等である。
- 旅行
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誕生会
月ごとにその月に生まれたメンバーの誕生会を実施している
- 誕生会
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(7)昼食
乙訓ひまわり園では昼食の調理を(株)京都魚国に委託している。メンバーの嗜好や状況に応じた食事を提供するため、メンバー・職員・業者による昼食委員会を組織し、食事の内容について常に業者と連携を図りながら食事の提供を進めてきた。
デイセンターのメンバーには咀嚼・嚥下機能に障害をもつ人も多く、ペースト状にしたりとろみを付けるなど、それぞれのメンバーに応じた食べやすい形態への加工も行ったうえで提供している。一方でアレルギーや肥満、生活習慣病等の問題を持つメンバーもおられ、除去食やカロリー制限についても必要に応じて実施している。
- 昼食
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(8)送迎
障害の重い人にとって、日中活動施設への通所手段として、送迎保障は必要不可欠である。また、送迎をメンバー本人の通所支援として捉えたとき、定点まで出向いてもらう、いわゆる「スクールバス方式」では、実質的に意味をなさない。メンバーの状況に応じて「ドア・ツー・ドア」の送迎(場合によっては「ベッド・ツー・ベッド」もあり得る)を実施することで、初めて重症心身障害者本人にとっての通所保障となりうるのである。これが結果的に家族の介助負担の軽減にもつながるのではあるが、本質的な意味 --社会資源へのアクセスへの保障が社会参加への第一歩であること-- をきちんと押さえておきたい。
デイセンターでは5台のワゴン車を使用し、10名の職員により毎日の送迎を行っている。運転も含め職員の業務としての負担は小さくないが、本人の通所保障としての送迎の意味をふまえ、今後も継続して実施していきたい。
なお、メンバー全員を一律に家庭まで送迎するのではなく、本人の通所への意識づけの意味から、自宅から離れたポイントでの送迎実施が必要な場合や自主通所が望ましい場合等、メンバーの状況に応じた対応が重要であることはいうまでもない。
- 送迎
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(9)療育等支援事業との連携
平成14年10月に京都府より受託した療育等支援事業により、メンバーの健康支援に必要な専門スタッフの派遣を受けている。内容としては、(1)看護師、(2)歯科衛生士の2種類の派遣である(本来同事業により派遣を受けるべき理学療法士の問題については「課題」でふれる)。
看護師派遣
デイセンターに配置されている支援員(看護師)とは別に、療育等支援事業からも週1回の看護師派遣を受け、主にメンバー全員のバイタルチェックを実施している。デイセンターの看護職との連携のあり方や役割分担については、未だ十分確立されている状態ではないが、より客観的な立場でメンバーの健康についての問題提起や職員からの相談に応じる体制が整えば、メンバーの健康支援をより促進することができると考えられる。
歯科衛生士派遣
歯科衛生士による口腔ケアは、平成13年度より衛生士3名によるボランティア的な関わりからスタートし、療育等支援事業の受託の段階から派遣事業として正式に位置づけられることとなった。2年にわたるケアの実施の結果、多くのメンバーに目に見える成果が表れており、今後も引き続き力を入れていきたい。
- 歯科衛生士による口腔ケア
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